熟語は熟した語。熟語もそれで一つの文章になりうる…という話です。
熟語を活用して、言葉を紡ぐ練習です。
さて。
新宿の夜景の写真です。
ネットで見つけた画像の転載ですけどね。
では、これもタイトルを付けてみましょうか。
ズバリそのまま「新宿の夜景」でも良いのですが、どこか味気ない。
「新宿の渓谷」ではどうでしょう?少しは文学的になりますかね。「都会の渓谷」うん〜もっとしっくり来るかな?
では比喩的感想で言うなれば如何でしょう。
「高層ビルは都会の肺腑、道路は脈々と流れる血管である」とでも表現したい所です。
さてさて。
ここまでの前置きの中で、単独の二文字熟語として成立する熟語は幾つあったでしょう?
熟語、文章、活用、言葉、練習、新宿、夜景、写真、転載、画像、味気、渓谷、文学、比喩、感想、如何、高層、都会、肺腑、道路、脈々、血管、表現
実に23セットありました。
さてさてさて。
続いてこの中で…動詞性熟語は幾つあるでしょう?
動詞とは、動作を表す言葉と言われます。
ですが、感じる、思う(想う)などの様に、頭の中で思考する事、喜ぶ、悲しむなどの感情表現も、動作ではありませんがこれもまた動詞です。
今、答えが一つありましたね。「感想」は感じる、想うの動詞性熟語です。
他の答えは、活かす、用いるの「活用」と、
練る、習うの「練習」と、
転じる(転がす)、載せるの「転載」と、
表す、現す(現れる)の「表現」
も動詞性熟語で、合計五つです。
動詞は最後の言葉が母音「ウ」の言葉で終わると覚えると良いでしょう。子供の頃に教わってはいると思いますが。
言う、歩く、走る、食べる、歌う、読む、持つ、嘆く、濁す…
う、く、る、む、つ、す…日本語動詞はすべてこの様に「母音ウ」段の文字で締められますね。
文学も「文を学ぶ」で動詞性熟語だろうとの意見もありますが、ここでは「文の学問」と捉える事とします。
すみません、理由は個人的センスでです(笑)
動詞性熟語に属さない熟語は…
名詞性熟語
か
修飾性熟語
だと捉えて下さい。
モノの名前、人名、地名などはいうまでもなく名詞であり、事象の呼び名も名詞性熟語でカテゴライズして構わないでしょう。
要は「なまえ」です。
動詞性、名詞性とくれば修飾性熟語はおのずとわかりますね。
修飾語です。飾る言葉です。形容詞や副詞などがありますね。
広い場所、大きい場所→広大な場所となり、広大が修飾性熟語となります。
新鮮な、乱雑な、温暖な、閑静な…いろいろありますね。
補足で言えば、形容詞は主に名詞を飾ります。特徴として最後に「い」で終わります。
広い場所、白い雪、速いクルマ、美味しい寿司…
副詞は主に動詞を飾ります。
速く走る、美しく描く、細かく分ける…
さてさてさてさて!
こう考えると二文字(三文字、四文字問わず)熟語が、日本ならではのいかに成熟した言葉であるかに気付けます。
先述の23セットの二文字熟語でさえ、
「夜景」 → 夜の景色
「写真」 → 真を写す
と、構成する文字にそれぞれの由来と意味があります。
ここまで熟語には動詞性、名詞性、修飾性の性質に分類する事を知った所で、次はこんな事を考えてみましょう。
「二文字熟語 プラス 接続詞 プラス 二文字熟語」(二文字熟語 オン 二文字熟語)
これは芸術や音楽、文学など作品で「タイトル」によく使われる構成です。
これがまた実は、文章として成立する場合もあるのです。
例えば
「聖者の行進」
聖者は名詞性、行進は動詞性。
「聖なる者は行く、進む」という文章性質が含まれます。
これはどうでしょう?
「永遠の孤独」
「永い、遠い」の修飾性で、孤独という状態の名前…つまり名詞性です。
これは飾られた「なまえ」です。
作品などのタイトルには向いてますが、文章性質は薄くなります。
これらはどうでしょう?
「栄光の勝利」
「尊敬と感謝」
「苦悩と挫折」
「白銀の世界」
「地獄の練習」
「温暖な気候」
「背水の決断」
「心情の洞察」
「激動の時代」
「最高の演奏」
「目標の達成」
「最高の美徳」
「青天の霹靂」
後半の熟語はどれが動詞性で、どれが名詞性なのかわかりましたか?
動詞性は最後に「する」と付けてみて、意味が成立すれば動詞性です。
感謝する、挫折する、練習する、などは動詞性。
逆に、世界する、気候する、時代する、という言葉はないので名詞性です。
でもこれは問題でもなんでもありません。
言葉紡ぎの練習です。
ただ、その二文字熟語 オン 二文字熟語が文章性質なのか、なまえ性質なのかを知る指標です。
何か作品にタイトルを付ける時、作品には必ずテーマ(課題)、コンセプト(発信)があるはずです。
それらを考慮して、適切なタイトルは文章性質が良いか、なまえ性質がよいか…つまり動か静かのセンスにかかってきます。
そんな事を念頭に置いて言葉紡ぎの練習をする時、あった方が良いのがボキャブラリー(知っている言葉のレパートリー)です。
次回予告 : ボキャブラリーを増やすには
文霊 〜フミダマ〜
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