諸君、私はムスカ大佐だ。
以前、別ブログでも投稿したが、私のかつての台詞から再度、基本的な表現技術を紹介しよう。
私はラピュタ中枢でシータ君から飛行石を奪い、ラピュタの兵器機能を説明する古代文字が読める様になったのだ。
それこそがラピュタの真の化学力、真の価値なのだよ。つい興奮してこう言った。
「読める!読めるぞ!」
これが『反復法』だ。リフレインとも呼ばれてる。
そしてバズー君、シータ君にその兵器の破壊力たるや披露した。こう言いながら。
「見せてあげよう、ラピュタの雷を」
それが『倒置法』だ。つまり普通は
「ラピュタの雷を見せてあげよう」と言う文を置き換える表現の技である。
軍隊の連中は上空から海へ落とした。その光景を見ては痛快でならなかったよ。そう、私はあの時確かにこう言った。
「見ろ!人がゴミの様だ」
それこそが『比喩法』だ。○○の様だと例える事だな。
続けて二人にこう尋ねたのだけどね。
「最高のショーだと思わんかね」
それが『反語法』という物だ。最高のショーだと思う、とただ言うだけではつまらないだろう。思わない訳がないのだよ。
しかし、バズー君、シータ君の二人はあろう事か、最後にあの忌々しい呪文を唱えてしまった。
そう、「バルス」だ。
飛行石からほとばしる閃光に、直視した私は視力を失ってしまった。
「目が!目がぁっ!」
目が見えなくなった!と言おうとしてたのか、目が痛い!と言おうとしてたのか、おそらくその両方だったとは思うが、そんな長い台詞を言ってる場合じゃない。
『省略法』だ。
文章なら読者が、芝居なら観客が、その状況から先の言葉は想像する事だろう。そして省略法によって、その台詞を言った人間の心情も込められてると言った所か。
以上が私の台詞による文法講座だ。
よもやラピュタの映画公開から30年も経ってそんな説明をするとは思わなかったが。地獄も案外と退屈な所でな、良い時間稼ぎになった。感謝しよう。
文霊 〜フミダマ〜
言葉に言霊 文に文霊 ポエム、エッセイ、ドキュメント、ノベル… 長文に短文、そのジャンルに合わせて、 素敵な感性と叙情詩溢れる表現力を磨いて、豊かな文作能力を身に付けたい物です。 そんな表現能力向上委員会のページです。このブログは。
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