vol.4【ボキャブラリー】言葉を紡ぐ練習

予告通り、今回はボキャブラリーの増やし方です。
ただし「ボキャブラリーが豊富」という評価は、実際には以下の3段階の判断材料に分類出来ます。

①知っている「言葉」のレパートリーの豊富さ
②その「言葉」を脳内検索し、発信する頭の回転の速さ
③その「言葉」と「言葉」を組み合わせ表現する力

②と③は主に会話の中で効果を発揮します。この2項目は実質的には「頭の回転の速さ」なのですが、受け手側は「ボキャブラリーが豊富」という印象に辿り着きます。

本ページでは文章表現力向上にスポットを当て、①に集中しますが、②や③が会話の中で活用出来ますと、話す事に自信も持ちます。ぜこまで進んで欲しいですね!

源泉はやはり①に尽きます。②も③もそこが出発点には違いありません。
最もベストな方法を先に言うとすれば、「沢山読書する」事と「たくさん書く」事。これに敵う方法はありません。
「人の話をよく聞く」事も良いだだろうと思われがちですが、実は話を聞くのはほぼ無効です。
聴くモノは流れてゆき、長時間聴いてても心に残るは本当に一言だけだったりします。
忘却曲線グラフなんてモノもありますしね。話を聞いた45分後にはほぼすべて忘れてるというデータです。

人の話を文章にして「見える化」するライターは別です。インタビュー記事を書く事などは適したトレーニングをしてると言えるでしょう。

ボキャブラリーは増やしたい。
しかし読書する時間がない。
そんな方向けのトレーニングを幾つか紹介します。複数人でも一人でも出来る方法…「ゲーム」です。

1:山手線ゲームで類義語、同義語を挙げる。


山手線ゲームは、浸透していない地域の方もいるでしょうが、二回の拍手のリズムの間にお題に合った言葉を挟んでゆくゲームです。
答えられなかったり、お題に合わない言葉を言ったりして、そのリズムを崩した人が負けです。
例えばそのゲーム名の通りにお題を「山手線駅名」としてみましょう。

ポン、ポン、「上野」ポン、ポン、「渋谷」ポン、ポン、「新宿」……

大抵はここに東京、池袋、原宿、秋葉原、品川までは答えられるでしょう。
そこから先はなかなかパッと思いつかない駅名です。それを答えられない事や、「浅草」「銀座」「御茶ノ水」「水道橋」など山手線にはない駅名を言ってしまう事、一度誰かが言った駅名を答える事が「負け」基準です。

その応用で、例えばお題を「怒っている表現」などとしてみましょうか。

ポンポン  怒る、  ポンポン  イカる、
ポンポン  イラつく、ポンポン  ムカつく、ポンポン   頭にくる、  ポンポン  いらいらする、  ポンポン  頭に血が上る、ポンポン  叱る…

これでお題を色々と変えてゆきます。

お題を「静か…に関する表現」とすれば
静寂、閑静、沈黙、寡黙、静観、静止…

「あい、の付く熟語」など。
愛情、悲哀、相手、愛犬…

2:色々しりとりで言葉集め。


最後は「ん」で終わっても良いので、例えば最後の漢字でしりとりをする、とか、最後二文字の読み方でしりとりをする…などのルールで行うのです。

前者の場合は、青春→春分→分解→解答…
後者の場合は、青春→瞬間→感動→慟哭…
ルールや条件を変えて行うのも面白いでしょう。

3:自作クロスワードパズル作り
自作ビンゴゲーム作り


自作でクロスワードパズル作るというのも、これなかなかボキャブラ能力に影響するんですよ。

自作ビンゴゲームは、例えばFree以外の24マスに、すべて自分で「さんずいの漢字」を埋める。
そしてその「さんずいの漢字」をランダムに挙げてビンゴゲームをしてゆきます。
更に、挙げたその「さんずいの漢字」が自分のカードに当たり、その窓を空ける際には必ずその文字を使った文章を口にする、などのオリジナルルールを加えるのです。

4:ウケなくていい。突然振られた言葉、熟語、文章に対して、駄洒落にして返すラリーゲーム。


簡単に言えば、「布団」と振られたら、「布団が吹っ飛んだ」となるべく間髪入れずに返すのです。
「クルマ」→新しく買ったクルマが来るまでに。
「ホテル」→ホテルに入ると体が火照る。

これ、その言葉を駄洒落しようと考える事で、新たな言葉、忘れてた言葉の発掘に繋がるんです。案外バカに出来ません。

これらは、お子さんなどを参加させ、ゲームを楽しみながらボキャブラリーを増やす事も出来ますが、
目的と手段の逆転に気をつけましょう(笑)
ボキャブラリーを増やす事が目的で、ゲームを楽しむ事は手段です。目的重視に徹して言えば、ゲームは楽しまなくてもいいのです。
だからこれらは、一人でも出来る事ですね。

表現は、千の人間がいれば本当に千の表現があるものです。
またその人間独特のパターンや法則もあるものです。

究極のボキャブラリーアップは、言葉を知っているでしょうだけでなく、その千のパターンを習得する事や、いずれ人との対話の時にその脳内の千の引き出しから、そのTPOに応じてポンポンと言葉が出てくる事です。

先述では、そうなれれば人と話す事に自信が持てると書きました。自信を持って話すからこそ、また人と繋がってゆけるのだと思います。
画像のスクランブル交差点の中から、瞬時に必要な人を見つけるが如く。

次回は、これらのゲームの要素を更に進化させて「リリック・ゲーム」を紹介します。

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文霊 〜フミダマ〜

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