Short Story【やまね雨】⑧

◆◆ 本章 ⑦    最終章 ◆◆ドゴーーン!ドゴーーン!ヒュルヒュルヒュル…ザッパーーーーーーーーン!そばでよしこちゃんの亡骸を抱きしめて、泣きわめくお母さん。「ワァァァァァァァ!ワァァァァ!」おびただしい血で赤い甲板。クレーンの残骸。数えきれぬ程の遺体の山。それも船首の傾きと戦闘の衝撃で何体も海に飲み込まれてゆく。兵隊さん達はそれでも残された命を守る為に砲撃を続けていた。私達家族は抱き合ったまま、目の前で二歳のよしこちゃんが犠牲になったのを目の当たりにして、すっかり身体が固まっていた。その時、甲板で知らない誰かが一人、立ち上がって歌を歌い出したのさ。「きぃみぃがぁぁよぉはぁ…」次の小節を続く人もいた。自分達の闘志を奮い立たせようとしたのか、恐怖を間際らせたかったのか。そのどちらともなんだろうね。私はまた目を閉じて、その歌声を聴きながら、学校の音楽の授業を思い浮かべようとしたよ。そして囁く様な小さな声で、私も合わせて「君が代」を歌った。ひろちゃんも歌い出した。続いてみえちゃんも。歌い終えて…目を開けばあの学校の教室だろう。教台に先生が立ち、周りにはクラスメイトに囲まれて、そして新興丸の出来事はすべて夢なんだ…そう思いたかった。目を開けた。やはりその惨劇は夢ではなかった。私は母、みえちゃん、ひろちゃんに尋ねた。「この雨…いつ止むの?」「雨…止まないね…」雨なんか...

Short Story【やまね雨】⑦

◆◆ 本章 ⑥  ◆◆八月二十二日、まだ早朝。雨上がりの空はまだ今にも降り出しそうで不安定だった。それよりも参ったのは海の時化だ。その揺れに耐えられずに酔って甲板に吐く人も多くいた。私達家族もそうだった。私やひろちゃんもこんな長い船旅は初めてだし、母やみえちゃんも戦時中はずっと樺太から出ていない。久しぶりだったんだろね。私も出航前に炊き出しの人に頂いたご飯は全部吐いてしまったんじゃないかな。よくさ、「気持ち悪くなったら、トイレで吐きなさい」と言うだろう?そんな余裕なんてあるもんか。船には三千五百人も乗っているんだ。行列でトイレ空きを待っている間に吐いてしまう。その行列に向かう途中で吐いてしまう。甲板にいた人達は揺れだけでなく、雨に濡れた事や湿気にもすっかり弱ってたんだろね。隣のよしこちゃん親子もすっかり参ってた。お母さんはよしこちゃんを抱きしめながら座りこんで、頑張ってねぇ、もうすぐだからねぇ、と声をかけ続けてたよ。北海道北端の稚内であればもうとっくに着いてたであろう時間だったけどね、小樽に変更となったもんだからさ、移動は長引いた訳だろう。おまけにこの海域は浮遊機雷もどこにあるかわからない。それは敵がまいた物かもしれないし、この新興丸も巻いてたってんだからね。慎重な航海を余儀なくされてたらしい。後から知った話だけどね。そんなよしこちゃんのお母さんの「もうすぐだからねぇ」を...

Short Story【やまね雨】⑥

◆◆ 本章 ⑤  ◆◆戦争ってゆうのは狂気だよ。人間の心を根っからぶっ壊してしまう。そりゃそうだろ。味方も敵も、殺らなきゃ殺られるの極限の状態で戦ってるんだ。そんな状態で自分達が優勢になって、敵の砦のある市街地まで占領したらどうなると思う?あんたらも、学校の歴史の授業では何年何月に関ヶ原の戦があったとか、桶狭間の戦があったとかしか習ってないだろ?そうか、映画やドラマで観た事あるか。でもありゃぁ、戦ってる場面が殆どだろう?私達ゃあね、市街地を攻められた後のその惨劇だけを、子供の頃から聞かされ続けてきたんだ。何故かって、そりゃまさに現在進行形だからさ。過去と同じ運命を辿りたくない。だから国は戦うんだという正当化の為さ。だから自分達の本当にやりたい事も贅沢も我慢しなさい、というね…躾と意識をさせる為にね。私もさ、今こうして七十五年前の事を話してる。この七十五年は日本は戦争に巻き込まれる事もなく、平和で、豊かになって、文明も発展したね。そんな話を子供達に聞かせる必要はなくなった。でもその時代を生きた本人には鮮明に思い出せるものさ。ところが奇しくもね…終戦の一九四五年も七十五年程前には戊辰戦争や西南戦争があった。日本人同士でさえ殺し合っていたんだよ。樺太には北海道から渡った人も多かったんだよ。新撰組の土方歳三は京都から甲府、江戸、会津若松、仙台、そして函館五稜郭。やはり今の私と同じ...

Short Story 【やまね雨】⑤

◆◆ 本章 ④ ◆◆八月十一日。満州に続き、樺太日本領土へもソ連軍は侵攻。国境付近で日本軍も抗戦し戦闘。日ソ中立条約は破られ、樺太の私達にすればとうとう開戦してしまったかという気分だよ。日本は原爆を二つも落とされてるだろ?もうね…子供の私達にも敗色濃く感じていたさ。正直、今になって始まるのか?とも思ってたよ。私やひろちゃんは内心、平和主義者だったからね。それから大人の人達は奔走してた。早く逃げ出したくてパニックになる人達。もう駄目だ、終わりだと諦める人達。冷静な人達。兵隊さんと一緒になって戦うと言い出す人達。漁師さんも多かったからね、人情も血の気も多かったのよ。いや、笑い事じゃなくてさ。実はこの時から既に、南の港町・大泊から北海道の稚内へ疎開船は引き揚げ住民をね、一〜二往復は輸送してたみたいだったのよ。後から知った話だよ。その事を最初はお金持ちは違うなぁと思ったけど、でもけしてそればかりという訳ではなかったんだ。お金持ちなんてあの時代、本当に一握りよ。戦時中も穏やかで心のいい人達ばかりの土地だったけど、みんな生きるのに精一杯だった事は樺太も本土と変わらない。要はお金持ちより情報持ち。そして準備をしていて、その時が来たらすぐ動ける人達だね。危機感は日増しに増えてった。住民の動きもね。鉄道会社の父は休む事なく働きづくめ。母は家の事をまとめて、みえちゃんやお兄ちゃんもサポートしてた。私や...

Short Story【やまね雨】④

◆◆  本章 ③ ◆◆母の話を全て一通り聴き終えて、あまりにも凄絶過ぎた悲劇に全身の力が完全に脱け切る。三人でしばらく沈黙を守っていた。母の疲労感も尋常ではない様に見えた。泣き腫らした後の目もどこか虚ろだった。部屋で休むと告げてリビングから去る母の背中は、まるで「すべてあんたらに語り継いだよ、これで思い残す事はない」とでも言ってるかの様で、このままもう会えないのではとさえ思えた。(思い残しがある、と最後には聞かされるのだが)最初は茶化しながらいた永介も、すっかり口数が減っている。私達親子は、夢でも見ていたのだろうか。永介はリビングの床に両脚を伸ばし、両手も背中越しの床につき、呆然と天井を見上げていた。もしかすると彼も、その先に澱んだ雨雲が広がる虚空を見つめているのかもしれない。「母さん…グッタリしちゃったよ…」永介が言った。「私もよ」やまない雨。雨はやんでも、やまない雨。母の心の中にだけ、七十五年間やまなかった雨。母はその雨をやませる為に、人々に「やりたい事をやれ」と、惜しまず援助を続けてきたのかもしれない。それが母なりのこの雨のやませ方であり、戦争犠牲者の供養であり、そうして心の中で浜茄子の花をずっと愛で続けていたのだ。気がかりな事もある。私達に打ち明けた事で、母の雨は更に土砂降りになったのではないか。この話を知り、母から最後に宿題を突き付けられた私と永介は、その母の【...

Short Story【やまね雨】③

◆◆ 本章 ② ◆◆「美樹。永介。一番怖い、地獄の『異常時』それはね、何と言っても『戦争』だよ」私と永介は互いに目を見開いて顔を見合わせた。母は深い溜め息をついている。リビングの中に吹く筈のない風が通り抜けた様に思えた。私は息を呑んで尋ねた。そこから先、母の話を聴くには覚悟が要る気がしたからだ。永介も同じ空気を感じ取っていたはずだ。「お母さん…戦争って…太平洋戦争の事?当時は子供だったんでしょ?」「そう。十歳の時に終戦を迎えたのよ」「お母さんは東北かどこかの田舎で疎開してたって言ってなかったっけ?空襲を受けた経験でもあったの?」「美樹。質問は一つずつにしてちょうだい」つい矢継ぎ早に尋ねた事を言った後で後悔した。待とう。聞こう。おそらく「時」は来たのだ。母はすべてを話す時が。私は母からすべてを聞く時が。「私達家族が戦時中暮らしていたのは北海道よりも北の「樺太」という土地なの」「樺太?」来た。案の定、いきなり来た。初めての地名が。私はこの女性(ひと)の娘を五十五年生きてきて、初めて聞かされる地名、そして初めて明かされる真実の予感に肌を泡立たせた。「父は鉄道の会社。母は家にいたけど、みえちゃんは裁縫の仕事を、利夫兄さんは戦争最後の年には十六歳になったけどそれまでは学生よ。徴兵の召集が来るでもなく、向こうにあった製紙工場で働き出した頃だった。自然も豊かな土地だったよ。そしてね…」母は息を...

Short Story【やまね雨】②

◆◆  本章  ①  ◆◆母の部屋の扉をノックした。「お母さん、いい?入るよ?」「はいよ」返事を確認すると同時に私は扉を開けた。気が早っていた。母はパソコンのディスプレイを睨んで、キーボードを打っていた。母は経営の現役を十五年前まで続けていたけど、そのどこかで自分でエクセルやワードの使い方を覚えハマっていた。特に数値管理は大好きだった。根っから経営を趣味とした男も負けるよな女性(ひと)だった。使えるアプリケーションはそう多くはないはず。永介からYouTubeの操作を聞き、昔好きだった時代劇や明石家さんまの番組を観て過ごしもする。それにしても歳(よわい)八十五にしてここまで使いこなすのは本当に関心する。「今日は何をやってるの?」「ん〜…何でもいいでしょ、はい、ポン!」母はそう言いながら、韻を踏んでリターンキーを押した。椅子を回転させて私を向く。顎を引いて老眼鏡の隙間から上目使いに見つめる仕草は、いつもの事だけど少しだけイラッとする。でも今日は口角を緩めて感情を抑えた。いつもは私も入口で「お母さん、食事よ」と知らせる程度だったけど、今日は久しぶりに部屋の中まで足を踏み入れた。素直な気持ちになって、晩年の母は一体何を打ち込んでいるのか、知ってもいいだろうと考えている。そう、不条理な死は誰にもいつ訪れるかわからないのだから。私も五十路を越えて独り身、そんな娘と...

Short Story【やまね雨】①

◆◆  序章 1  ◆◆「ともちゃん!またホラ!浜茄子ばっか見てないの!行くよ!学校遅れちゃうよ!」六月ともなると浜辺へなだらかに続くその草原は、一面の浜茄子の花で埋め尽くされた。毎朝、そのほとりの道を私達姉妹は通学に歩き続けた。が、その季節、幼かった私は何故かその浜茄子の花に惹かれ、学校へ行く時も帰り道も道草をした。帰り道はまだ良かったろう。朝の登校時、姉の浩子はどれほど気を揉んでいた事か。しかし私は、時が経つのも忘れて咲き誇る浜茄子の花畑の中にいた。特に何かしている訳ではない。花を摘むでもなく。ただ立ち尽くし、潮風が運ぶ芳潤な香りをすぐっていた。そして先を行く姉の背が五十メートルも先に離れると、ようやく駆け出して後を追っていた。「待って!ひろちゃーん!」〜◆〜母が還暦の年に「自叙伝を書く」と言い出して、書きかけの原稿はそこで止まったままだ。二十五年前の話だ。待って、ひろちゃん??…まったく。待っているのはこちらだ。これでは何の変哲もない、子供のただの朝の通学場面の一コマではないか。だけど私は待っている。「待って、ひろちゃん」母のその続きを。〜◆〜母、朋子。彼女が還暦を迎えたあの年は忘れもしない一九九五年。二つの大きなニュースの衝撃が日本を駆け巡った。阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件。昔から活発な母は、この時、自分の中の何かスイッチが入ったように「自叙伝を書く...

Short Story 【苦痛】 〜麻友子と瑠美〜 ⑧

川島は立ち上がり、貸会議室の部屋の中を右へ左へ、ゆっくり歩き回り出した。そしてその「昔話」は呼吸を整えた後、静かに語られ出した。「30年近く遡ります。まだ独立する前、私は大手の自動車ディーラーの営業マンとして修行していました。当時から常に成績はトップでありたい、そしていつかは起業したいと野望めいていた若僧でしたからね。あの手この手を尽くして、市内を駆け回ってましたよ。まぁ、営業所内の順位は月次なもんでね。トップをずっと防衛という訳にはいきませんが、それでもやはり三位以内の上位にはおりました」川島の語り口はけして武勇伝を嫌味や得意げに聞かせる物ではなかった。世間の成功者が、よく「成功の法則」「成功の秘訣」と言ったテーマで講演を行うが、川島はその様な類の話をしたと聞いた事がない。ある意味、これからの時代を担う経営者の卵にとっては貴重な時間なのかもしれない、と麻友子はボンヤリと考えていた。「まぁ、とにかくガムシャラだった訳ですな」そこまで話した所で川島はテーブルに置いていたペットボトルのお茶を一口飲んで、深いため息をつく。「そこからは…どう言えばいいのやら。とにかく仕事に乗っている時、私は自分を大層な者だと思い込んでしまってたのです。恥ずかしい話ですけどね。調子に乗っていた、そう言えばわかりやすいでしょうか。とにかく、私は販売しまくった。その販売スタイルはまるでお客様へも『私から買わない...

Short Story 【苦痛】 〜麻友子と瑠美〜 ⑦

「川崎社長。弁護士さんからは離婚しない場合の慰謝料の相場は幾らくらいかと尋ねてはおりませんか?」川島は、ヒステリックになった瑠美に動じる事もなく、宥める口調で問いかけた。麻友子は起きている状況を掴めず、瑠美と川島を交互に見渡し、そして視線を達郎へ移した。達郎は表情を変える事なく成り行きを見守っている。「主人の不貞行為を確認し、すぐに紹介を受けた弁護士へ相談しましたわ!相場は最低でも五百万、更に今回は弊社が監査業務を受注しているにも関わらず担当会計士が相手という状況…他にも諸状況からみても金額は上がるだろうとの事を伺ってます!」「川崎社長、それがあなたが離婚を前提としての場合です。離婚せず相手に慰謝料を請求するなら先程の金額が相場です」冷静さを欠いても、整然と話せる瑠美には麻友子も感心するしかなかった。この示談の場に川島がいなければ…果たして自分一人ではどうなっていた事かと内心、安堵を感じてもいる。「では…わかりました。私は離婚を選択すればいいのですね」瑠美の感情に乱れが見えてきた。麻友子はそうなるだろう展開を読みつつ、自分の処分はまだ不透明である事に動揺している。川島の態度は変わらず落ち着いたままで、瑠美に再び座るように進めた。「まぁ、まずは落ち着いて下さい。私の見立てではあなたは落ち着いて対話が出来る人だと評価しているんですよ。あくまでこの提言を受けるかるどうかも川崎社長、あなた...

Short Story 【苦痛】 〜麻友子と瑠美〜 ⑥

坂上親娘が待ち合わせ場所の貸会議室に着くと、そこには二人の男の人影があった。五階にある部屋の窓から、外の人の往来を見下ろしながら会話をしている。「川島、今日は世話になる」「お、着いたか」口火を切った達郎に気付き、二人の男性は振り向いた。そこには麻友子もローカル・メディアでよく顔を見かける川島の顔がある。ただ、達郎がこの地元の大物経営者である川島を呼び捨てに、そしていかにも対等の態度で接した驚きが緊張を凌駕した。「紹介する。こちらが娘の麻友子だ。本当はこんな形ではなく引き継がせたかったんだがな」達郎の紹介を受け、麻友子は名刺を川島に差し出しながら辞儀をする。「いつも父がお世話になっております…この度は本当にご迷惑をおかけし…何と申し上げたら良いか…」「初めましてだね、麻友子さん。お世話になってるのはこちらの方だよ。堅い挨拶は抜きでゆこう。先方もそろそろお見えになる」「では社長、僕もそろそろ…」もう一人の男性が口を挟んだ。川島の連れらしい。紳士的な好印象を抱かせる男性だが、麻友子にはそれを考えている余裕はなかった。「おぉ、そうだな。帰る前に紹介だけしておきましょう。麻友子さん、こいつはウチの長男の賢一です」「坂上麻友子さんとは初めましてですね。今日は社長とギリギリまで打ち合わせねばならない事があり、ここまで来ました。まだ帰社してやらねばならぬ事もあり、失礼致しますね」川島賢一は達郎とは...

Short Story 【苦痛】 〜麻友子と瑠美〜 ⑤

かかってきた突然の電話の主が、地元財界の大物・川島グループ会長、川島悟と聴いて瑠美は緊張を走らせていた。こんな朝の早い時間から、思いもかけぬ相手からの連絡に、何事だろうと戸惑いに包まれた。まだ自分も到着する前の会社に電話が社長宛にかかってきて、取り次いだ社員がまだ出勤前である事を伝えると、折り返すよう個人の携帯番号を伝えてきたと言う。表向きは市内で新車・中古車の販売や損保代理、自動車整備等を請け負う「川島モータース」社長で通っている。しかしもはやそれだけではない。その中古車販売において、インターネット上にECサイトを立ち上げるに当たりwebデザインの会社を立ち上げ、しいてはその分野において他社にコンサルティングをするまで手を広げてきた。地元においては多角経営の成功者として、地域経済を支える顔役の一角として名を轟かせている。瑠美の番号を押す指が慎重だった。粗相出来ぬ相手である。だが、それだけではなかった。自分が社長就任を強行してまだ間もなく、夫・佑志とその不倫相手の坂上麻友子を追い詰めているこのタイミングである。不自然さの勘が鋭く働いていた。大物と近づけ、もしかすると自社にとって都合の良いビジネスが飛び込むかもと、手放しでは喜んではいない。警戒のアンテナを張っていた。電話の呼び出し音が鳴った。「はい、川島です」「川崎電設の川崎です。会社にお電話頂きましたようで、恐れ入ります。川島社長...