目を閉じても恍惚の閃光が白く眩く広がっていた。
佑志が深く深く繋がってくる。体を重ねながら、幾度も引いては寄せる快楽の波。互いの肉体に宿るすべての歓びを貪り合った。
このまま…このまま時が止まればいい…
麻友子は思った。
やがて絶頂へと浮上する。
〜◆〜
「うわっ」
ホテルを出ていきなり吹きさらされた、外界の冷たい風に麻友子は顔を俯かせた。
風は麻友子の長い髪を滑り、洗いたてのチープなアメニティの香りを辺りに漂わせる。
「いい香りだ。また君が欲しくなる」
背後から佑志が言った。
「ふふ、ありがと。私もよ。ほら、誰かに見つかるとヤバいでしょ?サングラスをかけなさい」
振り向いた麻友子は佑志のジャケットの胸ポケットからサングラスを取り出し、佑志にかけてやると彼の首に腕を回した。
「離れたくない…」
佑志は麻友子の腰に手を置きキスをした。麻友子の体は再び温かい火照りを覚える。
遠くから夜の街の喧騒が、鳥のさえずりの様に耳元へ届く。都会という森。日常という鳥達…
それすらも霞む、そこは二人だけの甘い桃園だった。
〜◆〜
その月曜の朝はいつになく慌ただしかった。冬の名残と春の気配の交錯する三月。「坂上会計事務所」はクライアントの年度末決算の対処に追われる恒例の繁忙期に加えて、月末に退任する父親の引継ぎ業務に麻友子は追われている。
「社長、川崎電設の書類、デスクの上に置いておきましたよ。
お忙しいでしょうけど先方の渡邉さんもね、新生活スタートの稼ぎ時で立て込んでるんだって、焦ってましたよ。早目に目を通してやって下さいね」
部下の加藤の口から、佑志の会社の名前が出て、小さな針で心の経絡を突く感覚があった。平静を装って麻友子は返した。
「加藤君、やめてよ。まだ父がいるのよ」
「何言ってるんですか。もう今から呼ばれ慣れして下さいよ。僕も呼び慣れしたいし。
楽しみですよ。自分の事務所の新しい社長が才美備えた若き女性社長と注目浴びるのが」
加藤は無邪気に戯けた。
麻友子は薄く笑みを浮かべて、デスクに目を向けると山積する書類。さぁ、今日も新しい週のスタートだ。麻友子は自分に気合を注入するつもりで自分の両頬を軽快に叩く。長い髪を後ろで一本に結び、麻友子の端正な顔が凛とした空気をまとった。
その時、事務室の扉をコン、コン、コンと三拍子の規則正しいリズム。このノックは父親の坂上達郎だ。
「おはようございます!社長!」
加藤の現金丸出しの挨拶に、麻友子は半ば呆れながらも口元をつい綻ばせた。さっきまでは麻友子に呼ばれ慣れしろと「社長」と呼んでいたくせに。
「おはよう、加藤君。相変わらず今週も元気だな」
達郎も加藤へ挨拶を返す。
「会計事務所」なのだから、肩書きは「所長」でも良さそうな所ではあるが、達郎は「我が事務所は会社だ」という在り方に拘った。
昔は厳格そのものと言えた父親。とはいえ、普通の家庭にある様な親子関係はかなり久しい。
麻友子も父親と同業の道を選び、実務も重ね公認会計士の資格も取った。麻友子は同じく公認会計士のパートナーを選び、一度は結婚するも離婚して親の元へ戻る。
母親(達郎にとっては妻)を病気で亡くすなどの多難も乗り越え、父親の「会社」と呼ぶにはあまりにも小さなこの事務所を共に盛り上げてゆこうと決めた経緯がある。
そして今、老いなのか、余裕なのか、それとも後継者を育て自分の役割の果たし切る安堵感なのか。常に「社長」という仮面を外さなかった男が退任を前にしたこの時期、ようやく温もりを垣間見せる様になったと麻友子も安心を感じる。
と同時に、達郎の築き上げてきた信頼や功績をしっかりと引き継ぎ、自分が牽引せねばという意識をますます高揚させられている。
「麻友子。今日は12:30、川島モータースの川島社長と一緒にランチの時間をとった。お前の予定はどうだ?空いているなら来なさい。顔繋ぎしておこう。新社長着任の挨拶をあらためて行くより効率的だ。」
「わかりました、社長」
「本町のカプリチョーザで12:30だ。遅れるなよ」
用件を伝えると、達朗は部屋を退室した。
それぞれに月曜午前のファンファーレが鳴り出す。仕事開始だ。
「では、呼び分けますか!新社長!」
加藤の戯けは続いていた。
「僕は清水ホームさんと10:30にアポがあります。例の代表印捺印漏れの書類引き取りと、あそこの経理の横山さんとも少し打ち合わせがあります。戻りはそう遅くはならないと思いますが、新社長が前社長とお食事に行かれるならすれ違いになりますね」
「加藤君、やめなさい。その新とか前とか。午後にはまたやる事集中してるわよ。なるべく早く戻って来て。行ってらっしゃい」
そう交わして外出する加藤を見送った。
麻友子はデスクに落ち着き、佑志の会社「川崎電設」の書類に目を通す。
今期、いや最近の川崎電設の業績は芳しくない。会計士にとって財務諸表の数字はその会社の経営状態を如実に映す鏡だ。しかし麻友子はそれだけではない。個人的な繋がりが深過ぎる。
男女関係を不倫で結んでしまった佑志には、本当はもっと強い経営手腕を発揮して欲しい。本心はそう思っている。
会計士は差し出がましい口出しまではすまいと遠慮してはいるが、麻友子にとって理想の経営者、父・達郎をあまりにも近くで見過ぎてきたのだ。
彼が家族や社員の目を盗み、麻友子と会う事にどれだけのエネルギーを消耗しているだろう。会社が困難な時に、愛人に現を抜かしている場合じゃないと理性は思っている。
そう思う反面、何とかこの関係を維持し続け、佑志の会社の業績を上げる提案はない物かとも探っている。
その時、電話のベルが鳴った。
「はい、坂上会計事務所です」
「もしもし。坂上麻友子さんはいらっしゃいますか?」
「あ、はい。私ですが?」
「貴方が麻友子さん?初めまして。いつも主人がお世話になっております。私、川崎電設の川崎佑志の家内でございます」
一瞬、呼吸を忘れた。鼓動は高まり、目眩が襲ってきそうになるのを、本能で目を閉じ必死に堪えようとしていた。
受話器の向こう側の声に、明らかな怒りと憎悪の波長を感じたからだった。
〜◆〜
佑志の妻は「瑠美」と言った。
電話の用件は、13:00から会って欲しいという要求を突きつけられた。
12:30から達郎と顧客とのランチの予定が入っていた麻友子は、先約があり日を改めてもらえないかと申し出ると、
「坂上麻友子さん、今の貴方が私にそんな事を言える資格はおありかしら?」
と返された。
瑠美は選択肢を与えるつもりは無いとわかった。麻友子は冷静に、かつ毅然とした態度で受け答えをしているつもりだが、胸の中は動揺で満たされている。
バレたな…それはもう確信だった。瑠美の「会いたい」という要求を飲むしかなかった。
「では、13:00にお会いしましょう。麻友子さん。
えっと、それからね、今後、お宅の事務所との連絡は全て私か、総務担当の渡邉が窓口になります。主人には本業に没頭してもらいますので」
それは、この電話を切った後に達郎に連絡を取ろうとしても無理だと警告してる様に思えた。事実、この電話をしている時、瑠美の隣に佑志がいたかもしれない。
麻友子の迂闊な動きは全て封じられた。
達郎と川島社長とのランチをする予定だった場所と、瑠美の指定してきた場所はまるで正反対の方角で、どう考えても物理的に両方は無理だった。
達郎には川崎電設との打ち合わせの予定が入っていた事を忘れてた、とランチの辞去を伝えた。スケジュール管理が不十分である事の叱責を受けた。
麻友子は重い気を引き摺り、瑠美と待ち合わせのカフェへ向かった。
一体、何を話せばいいだろう?
そもそも話し合いになるのか?
戦場へ赴く兵士の気分とはこの様な感覚だったのだろうか。気を間際らそうと、そんな事を考えようとしても無駄だった。頭の中はこれから足を踏み入れる修羅場の予感で満ちている。
やがて指定のカフェにたどり着く。
大きなガラス窓から射し込む光と、青々と繁る観葉植物。BGMもインテリアもハワイの音楽。
5〜6テーブルある店内のその一番窓際で、瑠美は頬杖をついて座っていた。
これから瑠美と交わすであろう話には不似合いな程、店内の雰囲気は陽気過ぎた。
麻友子は軽く会釈をし、瑠美の待つテーブルへとたどり着いた。
「坂上麻友子さんね。初めまして。今日は無理言って来てくれてありがとう」
口火を切ったのは笑顔の瑠美からだった。窓際の陽気も手伝ってなのか、その笑顔は温もりを帯びている様に見える。冷たくない。その事にかえって麻友子は怯えた。…が、これは間違いなく女の闘いのゴングなのだ。腹を括ろうと思った。
「こちらこそ、初めまして。本日はお会い出来て光栄です。川崎電設さんにはいつもお世話になってます。坂上会計事務所の坂上です」
緊張を隠し、背筋を伸ばして精一杯に強いキャリアウーマンを演じて自己紹介を返した。
麻友子はそれまで迷っていた。瑠美には謝り通すか、開き直って立ち向かうか。
しかしその迷いはこの瞬間に、「これから私も、小さいながらも一つの会社を背負って立つ人間にならなきゃいけないんだ。今回は確かに身から出た錆。でも立ち向かうしかない」という方針を固められた。
どんな態度を取ろうと、この暖かい笑顔でかつ強気な女性は、般若の本性でぶつかってくるだろう。
瑠美からまた話しかけた。
「想像してた通り、とてもお美しい方ですね。スタイルも抜群。その上、公認会計士さんですもの。大変な努力家さんなんですね」
瑠美はそう褒め言葉を並べると、麻友子の謙遜する反応を確認した後、手元のカップを口元へ運びコーヒーを一口飲んでから一言言った。
「私にもその美しいお顔と体があれば、あの人は振り向いてくれたのかしら?」
言ってから、カップをソーサーにカチャリと置いた。
麻友子は固唾を飲んだ。底知れぬ恐怖を感じた。
「あ、何かお飲みになる?」
「あ…それでは、私もコーヒーを注文します」
「ここはね、見ての通りハワイアンなムードたっぷりなカフェでしょ?珈琲もコナなの。いいわよね、あの独特な香り」
「そうなんですね。コナ・コーヒーなんて私は久しぶりです」
麻友子もペースに飲まれまいと作り笑顔で答えた。
その後、瑠美がウェイトレスを呼ぶ仕草をし、麻友子が同じ珈琲を、とオーダーする。
ウェイトレスが立ち去ると瑠美はバッグの中から一枚の写真を取り出してテーブルの上に置いた。
そこには明らかにラブホテルの前で抱き合いキスをする男女の姿が写っていた。男はサングラスをかけ、女の髪は長い。
「これ…」
既に凍りついた麻友子の口からはその言葉を発するのがやっとだった。
「よく撮れてるでしょ?うちの主人と貴方よ。今日の私との出会いの記念にぜひ一枚持っていって。私はもう何枚か持ってるし、元のデータがあるから気にしないで」
完全に麻友子は言葉を失った。瑠美は探偵を雇っていたのだろう。
「主人が貴方からサングラスをかけられる前の画像もあるの。だから間違いないわ。というより、ご自分で記憶のあるご本人様を前にしてそんな事言うのも変な話だけどね」
「も…申し訳ありません…」
麻友子は詫びの言葉を口にした。それを見つめる瑠美はただ不敵な笑みを浮かべている。沈黙はやがて運ばれてきたコーヒーが麻友子の目の前に置かれた時に破られる。
「コーヒーでも飲みながらゆっくり話しましょ」
そんな気分にはなれなかった。
「そうそう、うちの会社の事、どこまでご存知かしら?元々、私の父親が起こした会社でね。主人は婿なのよ。だから彼が実は旧姓を持ってるの。「鈴木」なのよ。彼の旧姓」
初めて聞く話だった。
受ける相談は会社の財務や経営の事ばかりで、会社の歴史も顧問である以上、知っていても当然な情報であるが、今思えば佑志はそれを語りたがらなかった節がある。
おそらく、麻友子には自分は会社の代表を名乗ってはいるものの、実はそういう背景だったと知られたくなかったのだろう。推察だが納得した。
しかし今、直面しているのはこの瑠美との場面をどう乗り切るか?いや、乗り切れるのか?これから彼女はどんな切り札を出してくるのかだ。
「うちの会社の事なんて、貴方達2人に何が関係あるの?って思うかもしれないけど、一応最後まで聞いてもらうわ。
主人に代表をさせてはいたけど、貴方も知ってるわよね。うちの会社が今、伸び悩んでいる事は。
主人には経営の事を任せるのは、どうも荷が重かったみたい。それどころか、仕事での立場、家庭での立場も顧みず新しい恋人との情事に入れ込んでたのだから、業績が落ちるのは目に見えてるわよね。
あのね、川崎電設はまだ実質的には先代のうちの父、そして私が握ってるわ。株も私達親子が大株主だしね。
佑志は常務へ降格。とは言う物の、実際には一技術者よ。そして彼には携帯は取り上げた。彼のお金の流れも予定も全て管理し、携帯をまた持とうなんて動きは一切させない事に決定したの。
貴方もニ度と佑志とは連絡を取らせない」
瑠美は終始笑顔で話し続けている。その落ち着きはらった態度で、柔らかな口調でかつ、まくし立てているのだ。麻友子の背筋を冷たい汗がつたい流れるのがわかった。
「コーヒーが冷めるわよ。あたたかい内に飲んで」
どこまでも瑠美の声は優しく透き通っていた。だからこそ恐怖だった。
麻友子はコーヒーを一口啜った。
「どう?美味しいでしょ?コナ・コーヒー。
ここからは貴方の話よ。ぜひコーヒーで心を落ち着けて聞いて欲しかったの。
大人の話をね…と言っても当然、貴方達がどんなセックスをしてたかなんて話じゃないわ。お金の話をしましょう。そして貴方の仕事の話もよ」
麻友子は脳天から稲妻に打たれたような電流が全身を駆け巡った。不倫の代償。聞いた事はあるし、その話が出るのでは?という予想もあった。
しかしあらためて直接に言われると、襲ってくる不安にカフェの明るい雰囲気も闇に変わってゆく。
瑠美の言葉は尚も続いた。
「私が今、あなたと向き合ってどれだけ平静を装おうと努力してるかわかる?私の心に深く刻まれた傷はどう思う?」なった
とうとう麻友子は俯いてしまった。手のひらは汗ばんできている。この場から逃げ出したかった。
「答えて…」
瑠美の声が追ってくる。何か言おうと唇を開くも声にならず、喉元まで口の中が一気に乾燥した。
「答えなさいよ!!」
瑠美が初めて感情を壊し叫んだ。その突然のヒステリックな怒号にカフェのウェイトレスやオーナーも一斉に振り向く。それでも店内には緩いBGMが軽快に、そして甘く平和に流れている。
その時、麻友子の携帯が鳴った。画面を見ると加藤からだった。
「取っていいわよ」
瑠美がまた落ち着きを取り戻した様に促した。
しかし、麻友子が失礼しますと言い、席を立って電話を受けようとすると、瑠美は
「どこに行くの?そこで話ししなさい」と立たせなかった。麻友子は従って電話を取る。
「もしもーし!新社長ですか!?
どこにいるんですか!?前社長と川島社長とのランチに行くって聞いてたのにー!」
「ごめんなさい。川崎電設さんとの打ち合わせがあった事を思い出して…」
「あれ?そうなんですか?おかしぃなぁ。
実はその川崎電設さんからついさっき電話があって…川崎さんとこの経理の渡邉さんから、今後、川崎さんの担当は僕にしてくれっていう電話だったんですよ!
僕も突然、訳がわからなくて…でも今、新社長は川崎さんにいるんですか?何かあったんですか?」
加藤がまくし立てる。これも既に瑠美の差し金なのだろう。そこまでもう根回しをしていたのか。唖然とするほかなかった。
加藤とのやり取りの様子を瑠美は黙って見ている。
「あ…あの、実は…川崎電設さんの社長さんの奥さんと今、外で打ち合わせてて…」
と言った所で瑠美が横からそっと口を挟んだ。
「今はもう私が社長よ」
麻友子は気まずそうな表情を見せ、うろたえた。
「社長の奥さんと?どーゆー事なんですか!?」
「詳しくは帰ってから説明するわ。とにかくまだ今、打ち合わせ中なんで切るわね」
電話を切り、麻友子は瑠美を直視した。
ここで初めてじっくりと瑠美を観察したかもしれない。目鼻立ちも整い、人当たりは良さそうで上品な品格も漂う。そしてとても知的で賢そうな空気感。しかしその賢さはどこまでも底の知れない謀略と根回しが長けてそうであり、麻友子の畏怖を増幅させている。
そして加藤にも、麻友子と川崎電設の間にトラブルか何かが起きたと疑念を抱かせた事は確実である。
事務所へ戻ってから何と弁解するか、二重三重にあらゆる包囲網が麻友子に覆い被さる。
「あの…大体のおっしゃりたい事はわかりました。
まず具体的に私に…どんな償いを奥様は求めてらっしゃるのでしょうか…?それに…お金の話というのは…」
「貴方はまずどう償おうとしてるの?私の答えの前に自分はどうすべきかを言えないの?」
質問はカウンターを食らった。
「私の話を聞いてたかしら?佑志は代表の座を下りたわ。携帯を持たないとゆう、今の時代にはあり得ない状況にも立たされたわよね。
貴方もお父様の会社を継ぐんですってね。不倫で同罪の2人が、片方はそんな地位に立つのは不平等じゃない?
そして…私個人の憎しみは、佑志よりむしろ貴方に強く向くわ。けしてお金で解決出来る傷ではないわよ。だけど、それ以外に誠意って何で見せるの?」
瑠美は今度は感情を制御している様だった。
「まずは今日、その写真を持ち帰ってお父様に相談なさい。慰謝料だとか違約金だとか、法的に相場がどれだけなのか、お父様と2人で調べて貴方の方から誠意を見せてきなさい。私の携帯番号を教えておくわ」
「それだけは…!」
「お父様に言えないのかしら?貴方からお言えなければ、私からお話させてもらうけど?」
瑠美は冷淡に言い放つ。そして立ち上がり2枚の伝票を手にした。
「ここは私が払うわね。麻友子さん。これから貴方にはもっと多くの出費もあるでしょうしね。
今日は来てくれてありがとう。3日以内にまた電話をちょうだいね」
瑠美は去り、取り残された麻友子はただ呆然とその場に居座るだけだった。
頭の中は…そう、空だった。
〜◆〜
文霊 〜フミダマ〜
言葉に言霊 文に文霊 ポエム、エッセイ、ドキュメント、ノベル… 長文に短文、そのジャンルに合わせて、 素敵な感性と叙情詩溢れる表現力を磨いて、豊かな文作能力を身に付けたい物です。 そんな表現能力向上委員会のページです。このブログは。
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